2026.10.17 | 読了 約6分
招き猫の右手・左手の意味とは?色や発祥の言い伝えも

お店の入り口やレジ横で、片手をちょこんと上げてこちらを見ている招き猫。よく見ると、右手を上げているもの、左手を上げているもの、両手を上げているものがあります。じつはこの違いには、それぞれ込められた願いがあるとされてきました。この記事では、招き猫の右手・左手の意味、手の高さや色の意味、そして各地に伝わる発祥の言い伝えまで、招き猫をもっと楽しむための話をまとめます。

招き猫の右手・左手、それぞれの意味
招き猫の手の意味は、地域や作り手によって説明が少しずつ異なりますが、よく知られているのは次のような考え方です。
右手を上げた招き猫お金や福を招くとされています。商売繁盛を願うお店や、金運を願う贈り物として選ばれてきました。
左手を上げた招き猫人やお客さま、ご縁を招くとされています。人が集まることを願う飲食店や、人とのつながりを大切にしたい方への贈り物に向いているといわれます。
両手を上げた招き猫お金と人の両方を招く、という意味で親しまれています。一方で「欲張りすぎてお手上げ」と見る人もいて、受け取り方はさまざまです。
どれが正解ということはありません。贈る相手のお仕事や願いに合わせて選ぶと、気持ちがより伝わります。
手の高さにも意味がある?
招き猫の手の高さについても、言い伝えがあります。手が耳より高く上がっているものは「遠くの福やご縁まで招く」、低めのものは「身近な福を招く」とされることがあります。ただし、これも諸説あり、作り手の好みやデザインで決まることも多いようです。
色によって変わる招き猫の願い
昔ながらの招き猫といえば三毛猫ですが、いまはさまざまな色の招き猫があります。色ごとの意味は、一般的に次のように紹介されています。
| 色 | 込められてきた願い |
|---|---|
| 三毛 | 招き猫の定番。福を招く |
| 白 | 清らかさ、開運 |
| 黒 | 魔除け、厄除け |
| 金 | 金運、商売繁盛 |
| 赤 | 病除け、魔除け |
| ピンク | 恋愛、ご縁 |
赤は、古くから病や災いを遠ざける色と考えられてきたことに由来するとされます。ピンクの招き猫は比較的新しいもので、恋愛やご縁を願う方に人気です。色の意味も地域や作り手によって違いがあるので、気に入った色を選ぶのもすてきです。
招き猫の発祥は?各地に残る言い伝え
招き猫の発祥には、いくつもの言い伝えがあり、どれが本当のはじまりかははっきりしていません。ここでは、よく知られている話をご紹介します。

豪徳寺(東京都世田谷区)の言い伝え
江戸時代、彦根藩主の井伊直孝が鷹狩りの帰りに寺の前を通りかかると、寺の猫が手招きをしたといいます。招かれるまま寺に立ち寄ったところ、まもなく激しい雷雨になり、雨に濡れずにすんだ――。これを縁に、寺は井伊家の菩提寺になったと伝わります。豪徳寺の招き猫は小判を持たない姿で知られています。
今戸神社(東京都台東区)の言い伝え
浅草の今戸あたりは、江戸時代に今戸焼という焼き物が作られていた土地です。暮らしに困ったおばあさんが、夢に出てきた猫の姿を今戸焼の人形にして売ったところ評判になった、という話が伝わり、今戸を招き猫の発祥とする説もあります。今戸神社は縁結びでも親しまれています。
自性院(東京都新宿区)の言い伝え
室町時代、武将の太田道灌が戦の途中で道に迷ったとき、一匹の黒猫が現れて手招きをし、自性院へ案内したという話が伝わります。この猫を大切にまつったことが、招き猫のはじまりのひとつとされています。
このほかにも、全国各地に招き猫の言い伝えがあります。どの話にも共通するのは、「猫が人を招き、よいご縁につながった」という温かい物語です。
招き猫を贈るとき・飾るときのヒント
招き猫は、開店祝いや開業祝い、新築祝いの贈り物として古くから選ばれてきました。最近では、結婚祝いや誕生日に、インテリアとしてかわいらしい招き猫を贈る方も増えています。
選び方のヒント
- お店を始める方には、右手(お金)や左手(お客さま)の招き猫を、お仕事に合わせて
- 人とのつながりを大切にしたい方には、左手の招き猫を
- お部屋に飾る方には、小ぶりで色のきれいなものを
飾る場所玄関やお店の入り口など、人が出入りする場所に飾られることが多いようです。ただし、決まった作法があるわけではありません。毎日目に入る場所に置いて、大切にしてもらうのがいちばんです。

産地で違う、招き猫の表情
招き猫は、焼き物の産地を中心に全国で作られてきました。同じ招き猫でも、産地によって顔つきや体つきがずいぶん違います。
常滑(愛知県)の招き猫
いま「招き猫」と聞いて多くの方が思い浮かべる、ふっくらとした丸い顔に大きな目、小判を抱えた姿は、常滑の招き猫がよく知られています。昭和の時代にたくさん作られ、全国のお店に広まったといわれます。愛嬌のある表情で、商売繁盛の縁起物として親しまれています。
瀬戸(愛知県)の招き猫
焼き物の町・瀬戸では、すらりとした体つきで、なで肩の上品な招き猫が作られてきたといわれます。常滑の招き猫と比べると、どこか本物の猫に近い、すっきりとした印象です。
郷土玩具としての招き猫
今戸焼のような素朴な土人形、張り子の招き猫など、各地の郷土玩具としての招き猫もあります。手描きの表情は一体ずつ少しずつ違い、「この子だ」と思える一体に出会えるのも魅力です。
9月29日は「招き猫の日」
9月29日は、「くる(9)ふく(29)」の語呂合わせから「招き猫の日」とされています。この時期には、招き猫ゆかりの土地でお祭りやイベントが開かれることもあります。
旅先で招き猫を見かけたら、その土地ならではの表情に注目してみてください。産地の違う招き猫を並べて飾るのも、楽しいものです。
まとめ
- 右手はお金や福、左手は人やご縁を招くとされている。両手を上げたものもある。
- 手の高さや色にも、それぞれ願いが込められてきた。意味は地域や作り手によって異なる。
- 発祥には、豪徳寺・今戸神社・自性院など、いくつもの言い伝えがあり、諸説ある。
- 贈るときは、相手のお仕事や願いに合わせて手や色を選ぶと、気持ちが伝わりやすい。
むすびのひとこと
神社の境内で、ときどき猫さんにお会いするんです。じっとこちらを見つめる姿に、つい足を止めてしまうのは、きっと人も猫もご縁に導かれているからでしょうね。大切な方の「これから」に、小さな招き猫を添えてみてください。ご縁、むすんでおきますね。
en:musubiの招き猫ギフト
en:musubiでは、焼き物の産地で作られた招き猫をご用意しています。開店祝いや新しい門出の贈り物に、ぜひご覧ください。
ここまで読んでくれて、ありがとうございます。
明日が、すこし楽しみな一日になりますように。



