日本各地の縁起物と、その土地の物語を。

2026.10.09 | 読了 約13分

玄関の風水|置くと運気が上がるもの・NGなもの(狭い賃貸玄関OK)

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玄関は、風水で「気(運のエネルギー)の入り口」と考えられている場所です。

風水のもとになった昔の本や、国の住まいの調査、植物を育てるための光のデータをもとに、せまい賃貸の玄関でもできる整え方をまとめました1411。部屋全体の整え方は一人暮らしの風水インテリアで紹介しています。

この記事の30秒まとめ

  1. 置くといいのは、鏡・玄関マット・観葉植物・盛り塩・花・香り・あかりの7つ。全部そろえなくて大丈夫。
  2. 鏡はドアの正面をさけて、左右どちらかのかべへ。帰ってきた自分を、横からそっと映す場所に。
  3. 出しっぱなしの靴・かさ・ゴミはNG。方角の色(東=青、南=赤、西=白、北=黒)を小物で取り入れます。

どうして玄関が大事なの?

「風水」という言葉のもとは、中国の『葬書(そうしょ)』という昔の本です12。

この本には、「乗風則散、界水則止」という言葉があります1。「気(エネルギー)は、風に乗ると散らばり、水があると止まる」という意味です。

風水は、もともとお墓や家を建てる場所を選ぶための考え方。人が住む家を「陽宅(ようたく)」、お墓を「陰宅(いんたく)」と呼び分けます2。

日本では「家相」として広まった

日本では、家の方角や間取りから運のよしあしを見る「家相(かそう)」として広まりました。江戸時代ごろには、ふつうの人たちにも広がります4。

家相が信じられはじめたのは、奈良時代の中ごろから。平安京(いまの京都)も、方角のいい土地として選ばれました。都やお寺、宮殿をつくるときは、方角のよしあしを占うのが当たり前になります4。

北東は「鬼門(きもん)」と呼ばれ、門や玄関、トイレを置かない考え方もあります45。鬼門は「鬼が出入りする方角」。桓武天皇は、平安京の鬼門を守るために比叡山延暦寺を建てたと伝わります5。

「玄関」は、もとはお寺の言葉

「玄関」は、もとは禅のお寺の言葉です。「深い教えに入るための入り口」という意味で、お寺のお坊さんの部屋への入り口を指していました3。

江戸時代のふつうの人の家には、基本的に玄関をつくってはいけないきまりがありました3。ふつうの家にも玄関ができたのは、明治時代になってから。昔は、家の立派さを見せるために、玄関を立派につくりました3。

en:musubiの見方

風に乗ると散らばり、水があると止まる。

en:musubiでは、玄関を「外の風を入れて、家の中にとどめる場所」と考えています。通り道がすっきりしているだけで、帰ってきたときの気分が変わりますよね。

数字で見る、いまの玄関

総務省の2023年の調査では、家全体のうち、マンションやアパートなどの集合住宅が44.9%。これまでで一番多くなりました11。

集合住宅の1軒あたりの広さは、平均50.31㎡。一戸建て(126.32㎡)の半分もありません。集合住宅は、1993年からの30年で約1.8倍に増えています11。

集合住宅の割合(2023年)44.9%
集合住宅の広さ50.31㎡
一戸建ての広さ126.32㎡

多くの人の玄関は、「靴をぬぐ場所と靴箱」くらいの広さ。この記事は、その広さで考えています。

玄関に置くといいもの7つ

1. 鏡|日本でも特別な道具

鏡は、日本の神話では、ただ姿を映すだけではない大切な宝物です6。神社では鏡を神さまとしてまつることもあり、伊勢神宮にまつられている八咫鏡(やたのかがみ)が、その代表です6。

「妊娠中の人が鏡を身につけると、お葬式や火事の悪い影響から守ってくれる」という言い伝えも残っています6。

2. 玄関マット|八角形には意味がある

風水グッズによくある八角形は、占いの「八卦(はっけ)」からきた形です。

八卦は、天・沢・火・雷・風・水・山・地という、自然を表す8つのしるし。これを2つ重ねた64通りの組み合わせで、占いをします13。

マットは、外の土や砂を家に持ちこまないための関所。洗えるものを選ぶと、きれいにしておけます。

3. 観葉植物|暗い玄関は「光の量」で選ぶ

農林水産省の事業でつくられた「屋内緑化マニュアル」は、観葉植物を、育つのに必要な明るさでグループに分けています12。

サンセベリアやポトスは、「500ルクスで1日10時間」の明るさで育つグループ。ガジュマルなどは、2,000ルクスが目安です12。

あたたかい国の植物なので、部屋の温度は5℃より下げないこと。受け皿にたまった水は、水やりのあと30分以内に捨てます12。

南向きの窓のそばでも、窓から2m離れると、春や秋の明るさは約290ルクスまで下がります12。窓のない玄関は、もっと暗いと思っておきましょう。

暗い玄関なら、サンセベリアやポトスがおすすめ。選び方は玄関に合う観葉植物へ。

4. 盛り塩|お店の「縁起」から

盛り塩は、料理屋さんや寄席など、お客さんを呼ぶお店が、縁起をかついで入り口に塩を小さく盛ること7。江戸時代の終わりごろの小説にも出てくる言葉です7。

けがれをはらったり、縁起をよくしたりするために塩をまく「塩花(しおばな)」という習わしもあります8。昔は家でも、かまどや井戸のふちに塩を盛って、きれいに保ちました17。

塩は、温度が大きく変わる場所や、湿気が多い場所をさけてしまいます14。長く置いても、固まる以外に悪くはなりません14。

作り方や取りかえる目安は盛り塩のやり方へ。海水と海藻からつくる塩竈の藻塩も紹介しています。

5〜7. 花・香り・あかり

お香は、仏教と一緒に日本に入ってきて、仏さまへのお供えに使われてきました。室町時代には、香りを楽しむ「香道(こうどう)」も生まれています15。

  • 花:小さな一輪ざしで十分。しおれたら早めに取りかえます。
  • 香り:火を使わないディフューザーや、においぶくろなら、出かける前も安心。
  • あかり:帰ってきたとき、真っ暗にしない。センサーライトや小さなライトを。

鏡は「正面をさけて、左右に」

玄関ドア 正面の壁(鏡は×) 左の壁(○) 右の壁(○) 風(気)の通り道
鏡はドアの正面を避け、左右どちらかの壁へ(en:musubiの提案)
en:musubiの見方

鏡を置く場所は、風水の流派によって言うことがちがいます。

en:musubiのおすすめは、ドアの正面をさけて、左右どちらかのかべ。ドアを開けたとたん自分と目が合うより、靴をはきながら横目で身だしなみをチェックできるほうが、毎日使いやすいからです。

置かないほうがいいもの

  • □ 出しっぱなしの靴(はく1足だけにする)
  • □ 開いたまま・ぬれたままのかさ
  • □ ゴミぶくろや、たまった段ボール
  • □ かれた花、ほこりをかぶったかざり
  • □ 通販の空き箱やチラシの山

どれも「風の通り道」をふさぐもの。ここだけ片づけても、部屋全体がすっきり見えます。

方角ごとのラッキーカラー

方角と色の組み合わせは、昔の中国の本に書かれています。

『五行大義(ごぎょうたいぎ)』という本では、南は「火」で赤、まん中は「土」で黄色。東は「木」で青、西は「金」で白、北は「水」で黒です9。

もっと古い『礼記(らいき)』という本では、季節ごとに王さまが着る服の色が決まっていました。春は青、夏は赤、秋は白、冬は黒。夏の終わりには、黄色の服を着ました10。

方角・五行・色・季節の組み合わせ(『五行大義』『礼記』より編集部作成)と、玄関での取り入れ方(en:musubiの提案)
方角五行色季節取り入れ方の例
東木青・蒼(緑もふくむ)春グリーンのマット、木の小物
南火赤(朱)夏朱色の小皿、赤い花を1輪
中央土黄季夏・土用黄色やベージュのマット
西金白秋白い陶器、ゴールドの小物
北水黒冬黒やネイビーのトレー

家相では、北東を「鬼門」、その反対の南西を「裏鬼門」と呼んで、さけてきました5。

暦の世界にも、方角の神さまがいます。歳徳神(としとくじん)がいる方角は「恵方(えほう)」で、何をしてもいい方角。金神(こんじん)がいる方角は、とてもよくない方角です18。

方角はスマホのコンパスで調べられますが、コンパスの北は、地図の北と少しずれています16。東京では、このずれが50年ほどで6度20分から7度40分まで大きくなりました16。

en:musubiの見方

玄関がどの方角でも、色は小さなものからで十分です。

マットかトレー、どちらか1つを方角の色にするだけでOK。毎日目に入る場所なので、それだけでも気分が変わります。

せまい賃貸玄関の整え方

  1. 靴は「今日はく1足」以外を靴箱へ。入らない分は、季節外れのものから手放す。
  2. かべに穴をあけずに置ける鏡を、ドアの左右どちらかに。
  3. マットは洗えるものを。方角の色なら、なおよし。
  4. 靴箱の上に、小さな鉢か一輪ざしと、盛り塩の小皿を1つずつ。
体験メモ(公開前に書きかえ)【ここに書く】編集部の玄関(または読者の実例)のビフォーアフター。何を片づけ、何を置いたか、気分がどう変わったか。

せまい玄関に置きやすいものPR

Foresta 八角ミラー 幅約35cm 日本製

八卦にちなむ八角形の鏡。ドアの正面をさけて、左右のかべに。

玄関マット 黄色 八角形 綿100%(トイレマットの店 ルーブルダール)

まん中の「土」の色、黄色。洗えるので、きれいにしておけます。

しっかり八角錐が作れる 八角 盛り塩キット

塩を固める道具と小皿のセット。靴箱の上に置ける大きさです。

ガジュマル(幹太)貫入釉薬 陶器鉢 イエロー(ランドファーム)

小さめの鉢。ガジュマルは明るい場所が好きなので、窓のある玄関向き。

価格・在庫は販売ページでご確認ください。リンク先で購入されると、en:musubiに紹介料が入ることがあります。

まとめ

「風水」のもとは中国の本『葬書』で12、日本では「家相」として広まりました4。「玄関」はお寺の言葉で、ふつうの家にできたのは明治時代からです3。

方角の色は、東=青、南=赤、まん中=黄、西=白、北=黒910。集合住宅の広さは平均50.31㎡で11、暗い玄関には500ルクスで育つ植物が向いています12。

玄関は、一日の終わりに自分を迎えてくれる場所。まずは靴を1足しまうところから、始めてみませんか。

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  1. 盛り塩のやり方玄関の盛り塩を、置き場所から捨て方まで
  2. 一陽来復の受け方・貼り方冬の金運御守を、整えた家に迎える

出典・参考(2026年10月確認)

  1. 『葬書』(維基文庫。四庫全書総目提要の解題つき) https://zh.wikisource.org/wiki/%E8%91%AC%E6%9B%B8
  2. コトバンク「風水説」(日本大百科全書/改訂新版 世界大百科事典) https://kotobank.jp/word/%E9%A2%A8%E6%B0%B4%E8%AA%AC
  3. コトバンク「玄関」(デジタル大辞泉/日本大百科全書/改訂新版 世界大百科事典) https://kotobank.jp/word/%E7%8E%84%E9%96%A2-60356
  4. コトバンク「家相」(日本大百科全書/改訂新版 世界大百科事典ほか) https://kotobank.jp/word/%E5%AE%B6%E7%9B%B8-463069
  5. コトバンク「鬼門」(デジタル大辞泉/日本大百科全書/改訂新版 世界大百科事典) https://kotobank.jp/word/%E9%AC%BC%E9%96%80-51682
  6. コトバンク「鏡」(改訂新版 世界大百科事典ほか) https://kotobank.jp/word/%E9%8F%A1-43388
  7. コトバンク「盛塩」(デジタル大辞泉/精選版 日本国語大辞典) https://kotobank.jp/word/%E7%9B%9B%E5%A1%A9-646866
  8. コトバンク「塩花」(デジタル大辞泉/精選版 日本国語大辞典) https://kotobank.jp/word/%E5%A1%A9%E8%8A%B1-516926
  9. 『五行大義』巻三 論配五色(京都大学人文科学研究所 テキスト) https://www.zinbun.kyoto-u.ac.jp/~takeda/kyoudou/gogyou/gogyoutaigi/gogyo_gogyo_03_g.html
  10. 『礼記』月令(原文) https://www.zggdwx.com/liji/6.html
  11. 総務省統計局 令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 結果の概要 https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/pdf/kihon_gaiyou.pdf
  12. 農林水産省 ジャパンフラワー強化プロジェクト推進事業「屋内緑化マニュアル」(令和4年3月) https://www.maff.go.jp/j/seisan/kaki/flower/attach/pdf/f_japanflower-24.pdf
  13. コトバンク「八卦」(精選版 日本国語大辞典ほか) https://kotobank.jp/word/%E5%85%AB%E5%8D%A6
  14. 公益財団法人塩事業センター「よくいただくご質問」 https://www.shiojigyo.com/info/faq/
  15. コトバンク「香」(デジタル大辞泉/日本大百科全書ほか) https://kotobank.jp/word/%E9%A6%99-61347
  16. 国土地理院「方位磁石の指す北は動き続けています」(磁気図2020.0年値) https://www.gsi.go.jp/buturisokuchi/press_magnetic_charts2020.html
  17. 国立国会図書館 レファレンス協同データベース「塩にまつわる信仰について記載のある文献」(さいたま市立中央図書館。和歌森太郎『日本人のくらしの歴史』ほか) https://crd.ndl.go.jp/reference/entry/index.php?id=1000353580&page=ref_view
  18. 国立国会図書館「日本の暦」第3章 干支②方位神 https://www.ndl.go.jp/koyomi/chapter3/s2.html

原典の文言は記載のテキストで確かめたうえで短く引用し、意味は編集部が要約しました。風水・家相・五行の色は昔からの考え方や言い伝えで、効果を約束するものではありません。「en:musubiの見方」と書いた部分と、置き方の提案は編集部の解釈です。

for you

ここまで読んでくれて、ありがとうございます。
明日が、すこし楽しみな一日になりますように。

縁
読みもの1本につき、印をひとつ。

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