2026.10.17 | 読了 約5分
風呂敷の歴史と包み方|贈り物を美しく包む基本と由来

一枚の四角い布で、箱も瓶も、本や着替えまで包めてしまう風呂敷。最近では、エコバッグやギフトラッピングとしても見直されています。でも、なぜ「風呂」敷という名前なのでしょうか。この記事では、風呂敷の名前の由来と歴史、贈り物を美しく包む基本の包み方、慶事・弔事での使い分けまで、風呂敷の魅力をご紹介します。

「風呂敷」の名前は、お風呂から?
風呂敷の名前の由来として有力とされているのが、室町時代の話です。三代将軍・足利義満が、京都の屋敷に大きな湯殿(蒸し風呂)をつくり、大名たちをもてなしたときのこと。大名たちは、脱いだ着物を家紋入りの布に包んで、ほかの人のものと間違えないようにしたといわれます。また、湯上がりにはその布の上で身づくろいをしたとも伝わります。
こうして「お風呂で敷く布」「お風呂で使う包み布」が、やがて物を包む布全般を指して「風呂敷」と呼ばれるようになった、という説です。
包む布の歴史:奈良時代から現代まで
奈良時代:宝物を包んだ「つつみ」
物を布で包む習慣は、さらに古くからありました。奈良時代、正倉院の宝物を包むために使われた布が、風呂敷のはじまりのひとつとされています。当時は「つつみ」などと呼ばれていたそうです。平安時代には「古路毛都々美(ころもつつみ)」と呼ばれる、衣類を包む布もあったといわれます。
江戸時代:銭湯とともに庶民へ
江戸時代になると、町に銭湯が増え、庶民もお風呂を楽しむようになりました。銭湯に通う人々は、手ぬぐいや着替えなどを風呂敷に包んで持ち運んだといわれます。こうして、風呂敷という呼び名が庶民の暮らしにも広まっていきました。
その後、風呂敷はお風呂の道具だけでなく、商人が商品を運んだり、贈り物を包んだり、暮らしのあらゆる場面で使われるようになりました。
現代:エコでおしゃれな包み布
一度はバッグや紙袋に取って代わられた風呂敷ですが、近年は、くり返し使えるエコな道具として、また、おしゃれなギフトラッピングとして見直されています。

贈り物を包む基本の包み方
風呂敷の包み方はたくさんありますが、贈り物に使いやすい基本の包み方をご紹介します。
平包み(ひらづつみ):結ばない、改まった包み方
平包みは、結び目をつくらずに包む方法です。結び目をつくらないことで、「ほどく」手間をかけさせない、という心づかいを表すといわれ、目上の方への贈り物や、改まった場面に向いているとされます。
- 風呂敷を裏向きにひし形に広げ、中央に品物を置く
- 手前の角を品物にかぶせる
- 左右の角を順にかぶせる
- 最後に奥の角をかぶせ、余った部分を下に折り込む
お使い包み:結んでしっかり、普段使いに
お使い包みは、もっとも基本的な、結んで包む方法です。持ち運びにも便利で、普段の贈り物やおみやげを包むときにぴったりです。
- 風呂敷を裏向きにひし形に広げ、中央に品物を置く
- 手前の角を品物にかぶせ、奥の角も重ねる
- 左右の角を持ち上げ、品物の上で真結び(ほどけにくい結び方)にする
きれいに包むコツ品物の大きさに合った風呂敷を選ぶのがポイントです。小さすぎると角が届かず、大きすぎると布が余ってもたついてしまいます。迷ったら、品物をのせて四つの角がしっかり重なるかどうか、一度試してみると安心です。
慶事と弔事での使い分け
風呂敷は、慶事にも弔事にも使えますが、色や包み方に気をつけたいポイントがあります。
色の選び方
- 慶事(お祝い):赤やオレンジ、ピンク、黄色など、明るい暖色系
- 弔事(お悔やみ):紺やグレー、緑など、落ち着いた寒色系
- 紫:慶事にも弔事にも使える色とされ、一枚持っていると便利
包む向き
慶事と弔事では、布を重ねる向きを逆にするのが一般的とされています。袱紗(ふくさ)で金封を包むときと同じ考え方です。地域や流儀によって違いもあるので、改まった場面では、事前に確かめておくと安心です。
渡し方
風呂敷に包んで持参した贈り物は、相手の前で風呂敷をほどき、品物だけをお渡しするのが基本です。風呂敷はたたんで持ち帰ります。ただし、風呂敷そのものも贈り物にしたい場合は、「風呂敷ごとお使いください」とひとこと添えましょう。

風呂敷を贈り物にする楽しみ
風呂敷そのものを贈り物にするのも、すてきなアイデアです。
- 和柄の風呂敷:柄に込められた意味とともに。末永い幸せを願う青海波、ご縁を願う七宝など
- 風呂敷で包んだギフト:中身と一緒に、包む布まで贈り物に
- 大判の風呂敷:エコバッグとして毎日使ってもらえる
風呂敷は、たたむと小さくなり、くり返し使えて、包むものの形を選びません。日本の暮らしの知恵がつまった一枚を、大切な方に贈ってみてはいかがでしょうか。
まとめ
- 風呂敷の名前は、室町時代の足利義満の湯殿に由来するという説が有力とされる。
- 包む布の歴史は奈良時代にさかのぼり、江戸時代には銭湯とともに庶民に広まった。
- 改まった贈り物には結ばない「平包み」、普段使いには結ぶ「お使い包み」が基本。
- 慶事は暖色系、弔事は寒色系、紫は両方に使える。重ねる向きにも気をつける。
- 和柄の風呂敷は、それ自体がすてきな贈り物になる。
むすびのひとこと
「包む」という言葉には、相手を大切に思う気持ちが込められているように思います。一枚の布で、品物も、気持ちも、やさしく包み込む。そんな風呂敷の心を、贈り物に添えてみてくださいね。ご縁、むすんでおきますね。
en:musubiの風呂敷ギフト
en:musubiでは、和柄の風呂敷をご用意しています。贈り物を包む布として、また贈り物そのものとしてどうぞ。
ここまで読んでくれて、ありがとうございます。
明日が、すこし楽しみな一日になりますように。



